子どもたちの虫歯予防
みなさんこんにちは。
今回ブログを担当させて頂く歯科医師の井場と申します。よろしくお願いします。
今回は、子供たちの虫歯予防についてお話したいと思います。
親御さんであれば、
「自分の子どもが虫歯にならないように気をつけて磨いているはずなのに、また虫歯ができてしまった・・」
こんな経験ありませんか?
今は昔に比べると虫歯の多いお子さんはかなり減ってきています。
これは平成28年の歯科疾患実態調査(厚労省)の小児の齲歯数(虫歯の数)のグラフです。
各年代で右肩下がりであることは喜ばしいことです。
ただ、虫歯は完全にはなくなっていません。
虫歯の原因となっているのは、ミュータンス菌というお口の中にいる菌が原因です。
菌が砂糖を食べ、酸を出すことで歯が溶け、虫歯になってしまうのです。
ご存じの方もいるかと思いますが、ミュータンス菌は生まれたばかりの赤ちゃんには存在しないのです!
では、その菌はどこからやってくるかというと、食事の時などに親や兄弟などからうつされるのです。
一度口の中にうつってしまうと、歯磨きや薬の成分で減らすことはできてもゼロにすることは難しくなります。
食事や会話の際にうつるので親御さんの口の中に虫歯が多いと、うつる可能性も高くなり、お子さんも菌の量が多くなってしまいます。
将来の虫歯予防のために、お母さんは妊娠中から定期的に歯科医院に通い、虫歯予防の習慣をつけましょう!
生後八か月前後から乳歯が生えてきます。生えたての歯は虫歯になりやすいので、この時期から歯磨きの習慣をつけましょう。奥歯が生えてくるまでは、濡れたガーゼを指に巻いて拭いたり、指につける歯ブラシで軽く磨いたりすると良いでしょう。
この時期からお口を触られるのを慣れさせておくと歯磨きを嫌がりにくくなります。
奥歯が生えてきたら、フッ素入りの歯磨きジェルを少量使ってみると効果的です。
現在はフッ素が一番虫歯予防に効能があるといわれています。
0歳から6歳までは500ppm、6歳から12歳ごろまでは950ppm程度のフッ素濃度が適切といわれていますので、年齢に応じたフッ素濃度の歯磨き粉を使いましょう。
(※大人の場合1450ppmのフッ素濃度がおすすめされています。)
また、白いペーストタイプのものより、透明なジェルタイプの方がフッ素を浸透させやすいのでオススメです!
当院でもCheck-Up gel(チェックアップ ジェル)LION社製 を受付にて販売しておりますのでお気軽にお尋ねください。
また、虫歯ができやすい子にはMIペーストといった歯のミネラルを補給してくれる歯磨き粉もオススメです。
味も複数の種類があり、甘くて美味しいのでオススメです!
虫歯予防には歯磨きが大事ですが、歯磨きだけではなく食生活を工夫することもとても大切です。
普段、お食事をしていないときの皆さんのお口の中はアルカリ性に近い中性に保たれています。
食事をすることで菌によって酸が作られるのでお口の中が酸性に傾きます。
この時虫歯になりやすいのです。
唾液の力によりまた中性に戻りますが、1日に何度も酸性になる状態が続くと、虫歯になりやすいお口の中になってしまいます。
ですから、だらだら食べは一番良くありません。
上のグラフはステファンカーブと呼ばれるグラフで、赤く染まっている脱灰というところで歯が溶けています。(アパガード様ホームページより引用)
このグラフでは15時に間食を取っていますが、これ以上増えると歯が溶ける割合がどんどん増えていきます。
おやつの時間は、時間を決めて、ダラダラと食べないようにしましょう。
また、小さいうちから歯ごたえのあるものを食べ、奥歯でよく噛む習慣をつけましょう。
顎が発達することで、歯並びがきれいに並びやすくなり、磨きやすくなりますので虫歯予防につながります。
それでも虫歯になってしまった・・という場合はしっかり治療をさせて頂きます。
当院では昔のように押さえつけての治療は一切しません。
最初は治療の前に削る部分を取った器具を使って慣れてもらえるようにトレーニングを行い、
歯科のユニット(椅子)や器具に慣れてきてから治療を進めています。
また、虫歯を取って詰めたらもう虫歯はなくなるわけではないのです。
お口の中に虫歯の原因となる菌は存在しますので、また虫歯になってしまう可能性があるのです。
ですから、治療が終わった後も、食生活や歯磨きに気をつけていきましょう!
いかがでしたでしょうか?詳しく知りたい場合はいつでも当院スタッフにお尋ねください。
大人になっても虫歯知らずの健康なお口でいられるように今の時期から虫歯予防を進めていきましょう!
「0歳からの口腔育成」「子どもを泣かせない17の裏ワザ」という本を参考にしました。皆様も是非読んでみてください!