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子どもたちが上手に噛めるには

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こんにちは。歯科医師の長澤です。

 

今まで、食物の上手な噛み方、食べ方や呼吸の仕方について意識してきましたか?
また教えてくれた方はいましたか?


 

私は小さいころ口呼吸でした。
また、4歳の子どもがいるのですが、食事の飲み込みが遅いことが気になっていました。
そこで今回、「子どもたちが上手に噛める・食べられる・呼吸できるようになる本」(クインテッセンス出版)を読み、よく噛める健康的な歯並びになるためには、子どもの頃からの食べ方が影響すること、鼻呼吸が大切であることがよくわかりましたのでご紹介します!

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噛めない子どもが増えています…

一般的に子どもが好きな食べ物といえば…オムライスやカレーライス、麺類など、軟らかい物が多いですね。
でも、軟らかい物ばかり食べていると、よく噛まなくても食べられるため、咀嚼(そしゃく)回数が減ってしまいます。

咀嚼回数が減ることのデメリットは、


①顎が小さくなり、永久歯が生えてくるスペースが不足し歯並び、かみ合わせも悪くなります。

②唾液が減少し、唾液による清掃作用が少なくなることで歯周病やむし歯にかかりやすくなります。
③舌の運動が減り、舌の位置が下がり口呼吸になりやすい環境となります

 

小さい時からよく噛むことがとても大切です!一口30回噛むことが理想です。

 

年齢別の食事のポイント

 

 6~12か月ごろ

離乳食は咀嚼のトレーニングです。どろどろした軟らかい離乳食をスプーンで食べさせるだけではなく、手づかみ食べで口唇や前歯を十分に使って口腔周囲の筋肉を育てることが大切です。この時期に上唇の筋力をつけておくと、後々食べこぼしや、「お口ぽかん」といった悪い癖の予防になります。

 

 1~2歳ごろ

食材はできるだけ大きく調理し、前歯を使ってかじりとることが大切です。一口の量を覚え、上唇の感覚や上顎への成長刺激にもなります。固すぎると丸飲みする癖がついてしまうので、乳臼歯が生えそろわない間は歯茎で噛める固さの物にしましょう。

 

 3~5歳ごろ

流し込み食べに注意します。しっかり噛むことで唾液を出し、消化吸収効率を高めます。 

乳歯が生えそろい、奥歯を使ったすりつぶし主体の咀嚼へ変化していきます。砂糖のとりすぎに注意しましょう。

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鼻で呼吸しましょう!

お子さんのお口、「ぽかん」と開いていませんか?口呼吸をしていると、口がぽかんと開いたままになります。
口呼吸のデメリットは、
①  唇と歯肉、歯が乾燥します。これにより唾液の清掃作用が効かないため、歯肉炎、むし歯リスクも上がります。

②  本来上顎についているはずの舌の位置も低くなります。上顎が大きく成長するには舌による刺激が必要なので、
上顎が成長せず、永久歯が生えてくるスペースが不足し歯並び、かみ合わせも悪くなります(出っ歯の傾向が強くなります)。

③  口呼吸が常態化すると、本来鼻粘膜や扁桃リンパ組織で濾過されるべき空気中の無数のほこりや花粉、
ウィルス等がそのまま体内に取り込まれてしまいます。

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口呼吸の原因はさまざまですが、軟らかく噛まなくてよい食事は口腔周囲筋の機能を低下させ、口呼吸を促してしまうようです。
子どものメディア(スマートフォン、タブレット端末、テレビ等)接触時間の急激な増加による、会話など直接的なコミュニケーションの減少、前かがみの姿勢、口遊びの減少も、口呼吸を引き起こしています。

鼻呼吸のためには「あいうべ体操」が効果的です!

あいうべ体操とは、福岡のみらいクリニック院長の今井一彰先生が提唱されているトレーニングで、一日30回継続すると、唇を閉じる力や舌を上にあげる力がついて自然に鼻呼吸ができるようになります。簡単なので、ぜひやってみてください。

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2018年から小児期の「口腔機能発達不全症」が保険適用になりました。
食べる、呼吸するといった口腔機能の成長発育は乳幼児期からが大切です。
当院では、昨年より「リットレメーター」(お口を閉じる力をはかる機械です)を導入しております。
子どもは成長発育に個人差が大きいので、継続的な測定がおすすめです。気になる方はお気軽にご相談ください!

2021年01月15日 11:10
スピカデンタルクリニック
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