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訪問診療・誤嚥性肺炎について

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こんにちは。歯科衛生士の五十嵐です。
寒かったり暖かくなったり体調を崩しやすい季節の変わり目ですが
春までもう一踏ん張り体調に気をつけていきましょう。

当院では週に一度施設にお伺いし、訪問歯科診療を行っております。
主に口腔ケア、入れ歯の調整、出来る範囲で虫歯の治療等も行っております。
ご自身のお口からお食事をとる事の大切さを少しでもお伝えできればと思い、
私が担当するブログでは数回に分けて、訪問歯科診療口腔ケアに関わることをお話していきたいと思っております。

初回は誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)についてお話ししていきます。
下のグラフの日本の死因別死亡率を見てみると、昭和55年あたりから肺炎の割合が伸びてきているのが分かります
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戦後、直接的な細菌性やウイルス性の肺炎は、薬の進化や環境の改善により減少傾向にありました。
しかしながら、つい5年ほど前には肺炎日本人の死因3位になってしまいました。
現代肺炎で亡くなられる方のうち、特に高齢者では誤嚥性肺炎で亡くなる方が多数を占めているという報告があります。

この誤嚥性肺炎とは誤嚥(ごえん)に引き続いて発症する肺炎の事です。
食物や唾液などが声門を越えて気道に侵入する事を誤嚥と言います
俗に言う「食べ物・飲み物が気管に入った」という状況です。

その際に下図のように、主にお口の中にある細菌やウイルスを巻き込んで肺まで連れていってしまうのです。
それで肺が炎症を起こしてしまったのが、誤嚥性肺炎となります。
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通常、誤嚥が起こると生体の防御反応により咳やむせとして吐き出しますが、
摂食・嚥下障害者や高齢者においては、この反応が低下している事があるので注意が必要です。

また、食事中に限らず、睡眠中など本人が気づかない間に誤嚥してしまう可能性もあるので、
日常のささいな変化や症状を見落とさないよう観察する事が必要です。

誤嚥性肺炎の大きな症状もはっきりしておらず、元気がない・食欲がない・食事時間が長くなったなどの症状が見られる場合は特に注意しましょう。


誤嚥性肺炎の大きな要因として「口腔内細菌の増殖」「誤嚥」「免疫力の低下」の3つが関係しており、
免疫力の低下した状態口の中で増えた細菌が付着した食物や唾液を誤嚥すると、誤嚥性肺炎発症のリスクが高まります
そこで歯科が1番関わるのが口腔ケアです。

我々歯科衛生士としてはクリニックでの診療は勿論、口腔ケアを通して口腔内の清潔を保つサポートをする事も重要になります。
お口の中を綺麗に保つ事で誤嚥性肺炎のリスクを下げる事ができるので、訪問歯科診療にも力を入れて取り組んでおります。
在宅訪問歯科診療にも興味があればいつでもご相談下さいね。
2021年02月27日 17:52
スピカデンタルクリニック
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