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肺炎と唾液

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こんにちは。歯科衛生士の五十嵐です。
日々あったかくなってきて春を感じますね。

さて今回は誤嚥性肺炎に続き、肺炎と関係した唾液のお話をしていきたいと思います。


絶食中やゼリー等しか食べられていない状態の為、歯磨きは必要ないと思う方はいらっしゃるでしょうか。
そんなことは一切ありません。
誤嚥性肺炎の予防や安全な摂食に繋げるためにも、ご飯を食べられていなくても歯磨きは必要になってきます。

前回お話した誤嚥性肺炎ですが(編集 訪問診療・誤嚥性肺炎について)、
食物を誤嚥することによって起きる肺炎というように言われています。

ただし、口腔内は温度・湿度・栄養の3条件が揃っているので、多くの細菌が生息し口腔細菌叢(菌の集合体)をつくっています。
適切なケアを行うことでこれらの細菌をある程度制御することができますが、
お口の中が汚いと、細菌だらけの唾液を誤嚥してしまうことになるので、
口腔ケアは重要になってきます。

唾液の働きはたくさんあります。(下図)
その中でも自浄作用は口の清潔を保つのにプラスにはたらきかけてくれます。

洗浄・抗菌作用として誤嚥性肺炎等の予防、咀嚼の補助、潤滑作用として食塊形成や嚥下運動などさまざまな役割があります
ご飯を食べるという事は唾液を分泌するための最大限の刺激ですが、お食事をとれていないとその刺激がないため、
口腔ケアで刺激を与えてあげる事が重要です。
また、唾液が分泌されないと歯垢(プラーク)の増殖にも繋がります。


daeki(図:キユーピーHPより)

唾液の分泌不足はたくさんの影響を及ぼしますが、今回は特にお食事の際のケースをお話します。
私たちは食べ物を歯で細かく砕き唾液と混ぜ合わせ塊にして飲み込みますが、唾液の分泌が不足すると塊にする力が減ります。
私は、人間にとって食事の時間は幸せな時間と思っています。
飲み込み辛い、食事の時間がかかる等少しでも引っ掛かる事があるとストレスに感じてしまったりするかもしれません。
そこでお食事の前や普段からでも唾液の分泌を促す方法があります
保湿剤というものもありますので、物理的にお口の中を潤すという方法もあります。
しかしながら保湿剤に頼りすぎると自分の唾液を出す能力が弱まっていくともいわれています。

そこで次は自分の唾液を出すための唾液腺マッサージについて紹介していきます。
唾液腺というのは唾液が分泌されるポイントのことです。
大唾液腺として、耳下腺・顎下腺・舌下腺があげられます。
そこを刺激して唾液の分泌を促すというマッサージです。


massa(図:キユーピーHPより)

高齢になると唾液の分泌は減っていくことは仕方のないことです。。
お食事の前にマッサージを行い、お食事の為のお口の準備をすると、
楽しいお食事の時間になると思います!
ぜひやってみてください!
2021年06月12日 16:13
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